土木工学ってどんな学問?

土木技術者は、人間社会の質の向上において重要な役割を担っています。土木工学の技術と知見は、自然災害の軽減、安全な公共空間の構築に貢献してきました。一般的に、土木工学は「構造工学」「水工学」「地盤工学」「土木計画学」の4つの分野から構成されています。

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構造工学

構造工学は,道路や鉄道の橋といった私達が生活する空間に必要な構造物を具現化するための学問です.実際には,その知見を基に構造物の設計,建設,維持管理を行います.加えて,自然災害の防止や低減も極めて重要な課題となります.さらに次世代のために,周辺環境と調和した持続可能なインフラストラクチャーを開発することが今求められています.

水工学

水工学は河川・湖沼・海で観察される水流の運動力学を扱う学問です。川の流れにみられる橋脚などの構造物と流体の相互作用や、土砂の洗掘や堆積など、水防災から水域環境まで幅広いトピックスを扱います。さらに水工学の学識は、グローバルな自然環境問題、津波や洪水などの大規模災害、水域生態系保全に関する諸問題を解決するために不可欠です。

地盤工学

ほとんどの社会基盤施設・構造物は地上・地中に建造されるため、地盤工学は全ての土木プロジェクトで重要な役割を担っています。地盤工学に関する研究は、様々な地盤材料の応力ひずみ関係やそのモデル化、地盤と構造物の相互作用、建設や維持管理を行うための調査計測技術の開発、地下水の流れや地盤環境問題への対応など多岐に渡っています。さらには、地震動に対する地盤や地中構造物の動的挙動の解明も地震災害を軽減する上で重要な課題となっています。

土木計画学

計画系分野では、安全・快適で持続可能な国土・地域・都市を創造することを目指しています。環境や経済、社会に及ぼす影響を多面的に考慮した社会基盤デザイン・マネジメントのための総合的・実用的な方法論を開発しており、それらは、将来計画の評価や政策提案にいかされています。複雑な現代社会における都市地域政策に対処するため、オペレーションズ・リサーチ、経済学、社会学、心理学、哲学も含めた幅広い分野の学習を進めています。