先輩・卒業生からのメッセージ

林優里さん(平成25年卒 環境省 地球環境局 総務課 研究調査室勤務)

林photo私は小さい頃から環境問題に関心があり、何となく環境と政策という分野に魅かれていた時に、京都大学の地球工学科が紹介されているのを見て入学しました。実際に学んでみて思うのですが、本学科の特徴は、3つのコースを含むということで多様な分野の授業を受けることができることではないでしょうか。クラスの女子の人数も多すぎず、少なすぎず、友達として仲良く学べましたし、効率的な作業の進め方や語学の能力など、授業や研究で培ったスキルは現在もそのまま役立っています。私は、まだ入省一年目ですが、国の方針を決めるような大きな仕事にも携わる機会をいただき、圧倒されながらもやりがいを感じています。

吉田光宏さん(平成20年卒 関西電力㈱原子力事業本部 土木建築課勤務)

吉田photo私は、電力会社で原子力発電所の斜面・基礎地盤の耐震安全性を検討する仕事をしています。現在、原子力発電所はあらゆる意味で注目されていますが、その中で責任のある仕事ができることにやりがいを感じています。私は、土木に憧れ、地球工学科に入学し、土木がどのように社会に役立っているかを意識して、土や水に関する知識を学びました。在学中は、様々なことを学ぶことができ、色々な視点から物事を考えられるようになりました。地球工学科には、学ぶ意欲のある人には、とことん学べる環境があります。皆さんも地球工学科で色々なことを学んでください。

谷岡弘邦さん(平成17年卒,19年修士修了)

TaniokaPhoto近年、大規模地震の多発や異常気象等、想定外の巨大災害の危機が広く認識されるようになってきました。災害は直接的に人命を奪うだけでなく、被災地域の生産活動を麻痺させ、多くの人々の暮らしに甚大な影響を及ぼします。私は、これら問題の解決に少しでも力になりたいと思い、地球工学科・土木工学コースに進みました。そして、自らが渇水が頻発する香川県で育ったことから水工学の研究に取り組みたいと考えて研究室に進みました。その後、故郷が高潮による浸水被害を受けたことから、水災害に関する研究に大きな意義を感じるようになり、越流水による河川堤防破壊の数値シミュレーションに従事しました。

大学院修士課程を修了後、現在は国土交通省へ就職し、我が国の製造業の国際競争力を支える基盤である港湾整備に関わっています。今後は道路や河川などに関する業務を幅広く経験し、国民生活の基盤を成す社会インフラ整備に尽力していきたいと思います。

地球工学科は、土木、資源、環境といった人々の生活基盤となる極めて大切な学問領域を対象としていますので、学ぶほどに高い充実感が得られる分野だと思います。

木村洋芳さん(平成18年卒)

これまで私たち人類は、快適な生活を維持するために、資源の大量消費とそれに伴う廃棄物の大量排出を行ってきました。その結果、「資源枯渇」や「環境破壊」などの深刻な、しかも地球規模で考えるべき問題に直面しています。

私は、それらの問題の解決に尽力したいと考え、地球工学科を選び、特に資源・エネルギー問題に興味があったため、資源工学コースに進みました。そして、埋蔵量が豊富で代替エネルギー資源として期待されるメタンハイドレート、ならびに二酸化炭素の固定方法として注目されるCO2ハイドレートの生成機構を自身の研究テーマとしました。環境にやさしいエネルギー供給システムの実現を目指して、日々研究に取り組んでいます。

地球工学科は、幅広い学問領域を対象としているので、自分の興味の持てる分野がきっと見つかると思います。

松山直樹さん(平成16年卒,18年修士修了)

matuyama 「環境問題の解決に貢献したい」高校入学時から、そんな漠然とした想いを持っていた私でしたが、人間が社会生活を営む上で避けることができない大気汚染、水質汚濁、廃棄物といった諸問題に対する解決に関心が向かい、地球工学科に入学、環境工学コースを選択しました。在学中は、各分野の環境工学についての知識を修め、4回生からは都市ごみ焼却灰中のダイオキシン類分解を研究テーマに、実験や化学的手法を用いた問題把握・解決の考え方を学びました。

現在は、住友重機械工業株式会社エネルギー環境事業部にて、循環流動層ボイラの基本設計に従事しています。循環流動層ボイラでは、石炭を始め建築廃材、タイヤ、汚泥、プラスチックといった多用な固形燃料を燃焼させ、高効率な発電・蒸気供給を行うことができます。CO2削減・リサイクル燃料の活用といった社会的要請を受け、近年急速に市場を広げている機種です。公害防止やボイラの諸問題解決の場面では、大学で得た知識や考え方がしっかりと活きており、環境・エネルギー問題の最前線に技術者として携わる日々は、非常に充実しています。

地球工学科では、人間の生活基盤となる土木・資源・環境を対象に、具体的な解決へ向けたアプローチを求めていきます。対象は広く大きいですが、それだけに得られるやりがいも大きな分野だといえます。